星月夜（ほしづきよ）。夜半（やはん）の砌（みぎり）。折節（おりふし）経て時宜（じぎ）を得た二人は折り重なるようにベッドへ横たわり蓬髪（ほうはつ）交わる事も厭わず（いとわず）唯（ただ）只管（ひたすら）衷情（ちゅうじょう）乱れ忘我（ぼうが）の境（さかい）を幕天席地（ばくてんせきち）に貪り始めた。
　羽毛ちゃんの食指が鷹羽奈のガットのスイートスポットを捉えると、660ケルビンの吐息が薫風（くんぷう）松籟（しょうらい）シーツを撫でる。
　鷹羽奈の牙城（がじょう）は奥平（おくだいら）貞昌（さだまさ）離反（りはん）に端（たん）を発する長篠合戦（ながしのかっせん）のようにみるみる崩れ、あっという間に設楽原（したらがはら）の如く敗北を喫した。
　鷹羽奈の長篠を制した羽毛ちゃんは比叡山（ひえいざん）焼き討ちのように猛撃緩める事無く、赤壁（せきへき）黄蓋（こうがい）の如く敵陣へと切り込んだ。
　火計炸裂。羽毛ちゃんの石兵八陣（せきへいはちじん）に鷹羽奈の長安（ちょうあん）が黄巾の乱（こうきんのらん）を迎える。
　虎牢関（ころうかん）呂奉先（りょほうせん）邀撃（ようげき）せんとす鷹羽奈だったが、無念、華雄（かゆう）散るが如く撫で斬りに処される。
　鷹羽奈のエントロピーはボルツマン原理によりlogW（ろぐだぶりゅー）。
　Equilibrium state（イクイルブリウム　ステイト）であろうとする鷹羽奈だったが、励起状態（れいきじょうたい）となった電子は遷移（せんい）状態から戻らずスピン平行（すぴんへいこう）最低三重項状態（さいていさんじゅうこうじょうたい）とは反転、excited singlet state（えきさいてっど　しんぐれっと　すていと）。
　鷹羽奈セントラルドグマが塩基配列ペプチド合成を行おうとした時、突如羽毛ちゃんからの液体ヘリウムが途絶え、鷹羽奈の超伝導状態はクエンチしてしまう。
　イットリウム系超伝導体では耐え切れず鉄セレン0.6テルル0.4ドーピング高温超伝導体鷹羽奈がピッキングハーモニクスすると、羽毛ちゃんのギブソンSGがスイッチングオーバードライブユニゾンチョーキング。
　二人のカッティングが徐々にペンタトニックスケール。
　中大兄皇子・中臣鎌足が大化の改新をすると、ついに元号が制定された。
　高天ヶ原（たかまがはら）へ辿り着いた二人は、天の浮橋（あまのうきはし）へと立ち、於能凝呂島（おのごろじま）を作るのでした。
　おしまい