●夏祭りで待ち合わせ(控えめな女の子ver)
■あらすじ
内気でちょっぴり人混みが苦手なあなたは、勇気を出して大好きな男の子と一緒に花火大会へとやってきました。
今日こそ頑張って手を繋ぐんだ、そんな風に意気込んで彼を待っていると、人混みの向こうに男の子の姿が見えてきたのでした。
■備考
読み上げ時間(目安):2分~3分
■ご利用上の注意など
・配信で読み上げたり、動画にしたりなどお好きにお使い頂けます
・絶対ではないですが、ご利用の際は『叫び二号(@sakebinigou)』までひと言いただけると嬉しいです!
◆本文
「あ……あの、こ、こっちです」
「す、すみません、人が多かったから、その、ちょっと離れたところに来ちゃって……見つけにくかったですよね」
「え? ”可愛い浴衣着てるから、すぐ見つかったけど、声をかけるのに緊張しちゃった”ですか……?」
「そ、そんなこと……えと、その、あ、ありがとうございましゅ……っ」
「う、うぅ……え? ”体調悪そうに見えるけど大丈夫?”」
「ち、ちがうんです! 人込みは、苦手だけど……今日は、その、大丈夫なんです」
「だって、アナタもとってもステキな格好だから、その……となりに居てくれるだけで、安心できるから……大丈夫なんです」
「ちょっぴり、アナタにどきどきしちゃうだけで……」
「な、なんでもないです!」
「えと、それじゃあお祭り見に行きましょうか。花火ももうすぐ始まるみたいですし」
「あ……でも、やっぱり人がすごく多いですね。このまま行ったら、はぐれちゃいそう」
「えと、だから、その……」
「これは、その……合理的な提案、というか、イヤだったら、イヤだって言ってもらっても、だいじょぶなんですけど」
「てっ、手、繋ぎませんか……?」
「ちっ、違うんです! ちょっとだけ、あの、その、繋いだ方がアナタもいちいち私のことを気にしなくても済むし、いえ、あの、そ
の、手汗とかすごいかもだし、私の肌なんてアナタはイヤかもしれないんですけど、でも、仕方ないかなって思ってっ! だからっ」
「あ……手、繋いでくれるんですか……?」
「え? ”俺の手もイヤだったらすぐ言ってね”ですか?……ふふ」
「……イヤじゃないですよ。アナタの手、大好きです」
「それじゃあ、行きましょうか。花火、たのしみですねっ」
おしまい