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​●私の気持ち

■あらすじ
 幼馴染で仲良しな男の子のことが好きな女の子のお話。

 好きな人が居るから、と言って告白の練習に付き合ってもらっていたけど、全然男の子は自分の気持ちに気づいてくれないので、今度こそ本当の告白をしようと意を決して、屋上へ呼び出すのでした。

■キャラ紹介

・女の子
 活発な女の子
 男の子とは幼なじみ。
 告白の練習と言って男の子へ気持ちを伝え続けてるけど気づいてもらえない


・男の子
 活発な子
 なんでも話す仲
 ちょっと告白とか照れくさい……?

■備考

 Vライバーの藍染さん(アカウント名@aizome913 URL:https://twitter.com/aizome913)​からご依頼いただいて、書かせていただきました!

​ 『青春ほのぼの系』とのリクエストにあわせて、『告白予行練習』という曲をイメージした内容とのご要望をいただいたので​甘酸っぱい感じに……!なったらいいなと思って書きました……!

​■本文

「うぅ、あっつぅ……こんな真夏に屋上とか、さすがに陽射しがきつすぎだったかなぁ……」

「”どっかの教室でいいんじゃねーの”って、ダメに決まってるでしょ! 告白の練習なんだから、誰かに聞かれたら……恥ずかしいじゃん」

「”いつまで告白の練習してんだよ”って、いーの! 今日で最後だって言ってるでしょ!」

 

「……もう。それじゃあ、告白の練習してみるから……聞いててよ?」

 

「こほんっ! えっと……だ、大好きデスー。つ、付き合ってクダサイー。ずっと前から好きデシター……」

 

「……もうっ! 真剣にやってるんだからそんなに笑わないでよね!」

 

「感情込めて言うとか、苦手なんだってばぁ!」

 

「”気合い入りすぎなんだろ”って、いっつもヘラヘラしてるアンタと違うの! 私はここぞって時はがんばるタイプなんだから!」

 

「アンタみたいになんでもかんでもヘラヘラしてたって上手に出来る人ばっかりじゃないんですぅー」

 

「まぁ、でも? どうせアンタだって、いざ告白するぞーってなったら、ぜーったい私と同じようになるに決まってるんだから」

 

「……アンタは、告白したいなーとか思わないの?」

 

「好きな人が出来たら、告白して、恋人になって……ふたりっきりでお出かけしたり、手をつないだりしたいな~って思うものじゃない?」

 

「”こんな暑い中手つないだりしたら汗でべとべとになるだろ”って、んもー! なんでそうアンタってムードがないのかなぁ!」

 

「”ムードとか知らねぇけど、とりあえず思ったことをそのまま言えばいいんじゃねーの”って……」

「思ったことを、ね……」

 

「すぅ、はぁ……わかった。思ったことを、そのまま言えばいいのね」

 

「……私が好きな人はね、ずっと告白の練習に付き合ってくれるし、”本気にすんだろ”とか言ってたくせに、何度好きですって言ったって……付き合ってくださいって言ったって、いっつも最後には”じゃあ、がんばれよ”しか言わなくって……私の嘘なんて、いますぐ見抜いてほしいのに、全然気づいてくれなくって……私ばっかり、こんなにドキドキして、モヤモヤして、くるしくなって……」

 

「でも……でもね? 毎日好きって言うたび、もっと好きになるの」

 

「ドキッてしてほしくて、今度こそ気づいてくれるかもって期待して……好きだよ、って言うんだ」

 

「そうするとね、顔があっつくて、指が震えて、胸の奥がきゅぅって痛くなるけど、”結構いいじゃん、今のよかったじゃん”って言ってもらえるの」

 

「そのたび、私の気持ちがちょっとは伝わったのかなって思えて、胸のところのモヤモヤが、ちょっぴり軽くなるの」

 

「……ねぇ? 告白、今ならちゃんと言えそうな気がする」

 

「だから、さ……練習じゃない、私の告白……聞いてくれる?」

 

「”今さら聞くなよ”って? えへ……ありがと」

「じゃあ、聞いててよね?」

 

「私の気持ち……ちゃんと全部込めて言うから、ね?」

 

「好きだよ」

 

おしまい

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